変形性膝関節症とは？

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みや炎症を引き起こす疾患です。
加齢や過度な負荷が原因となり、進行すると歩行や日常動作に支障をきたすことがあります。
日本では約800万人が膝の痛みを抱えているとされ、特に中高年層に多く見られます。
変形性膝関節症の主な原因には以下のようなものがあります。

• 加齢：軟骨の弾力性が低下し、摩耗しやすくなる。
• 肥満：体重が膝にかかる負担を増加させる。
• 過度な運動：膝に負担をかけるスポーツや動作の繰り返し。
• 遺伝的要因：家族歴がある場合、発症リスクが高まる。

変形性膝関節症の症状

初期症状としては、膝のこわばりや軽い痛みが見られます。
進行すると歩行時の痛み、膝の腫れが出てきます。
特に階段の昇降時に痛みが強くなり、炎症により膝が腫れることもあります。
また、関節の変形で進行すると膝の形が変わり、O脚やX脚になることもあります。

変形性膝関節症の予防方法

膝の健康を維持するには、膝周辺の筋肉を強化することが有効です。
筋肉を鍛えることで関節の負担を軽減できます。
また、体重管理をして肥満を防ぐことも重要です。
体重が増えてしまうと膝への負担が増えてしまいます。
加えて歩行時や座る際の姿勢を意識することも大切です。

変形性膝関節症の為の具体的な運動方法

膝への負担を減らし痛みを軽減するには特に膝周辺の筋肉を強化することが大切です。
膝に負担をかけずに簡単に行える運動方法の一例を紹介します。

ウォーキング

方法
平坦な道を選び、ゆっくりと歩きます。
30分程度を目安に、無理のない範囲で行います。

ポイント
クッション性のある靴を履くことで衝撃を軽減できます。
姿勢を正し、背筋を伸ばして歩きます。

水中運動

方法
プールでの水中ウォーキングを行います。
水の浮力により陸上よりも膝への負担が軽減されます。
ゆっくりとした動作で、膝を曲げ伸ばしをすると膝周辺の筋肉を鍛えることができます。

ポイント
水の抵抗を活用しながら、筋力を強化できます。
週に2〜3回のペースで継続すると効果的です。

筋力トレーニング

方法
スクワット椅子を使い、ゆっくりと腰を落としていきます。
お尻を後ろに引きながら膝がつま先より前に出ないように注意します。
膝が痛い場合は、無理に行わずに痛くない範囲で行うようにします。

膝延ばしキープ

方法
座った状態で片足を伸ばし、5～10秒間キープします。
ゆっくりとした動作で、筋肉に負荷をかけるようにします。
軽い場合は、足首にパワーアンクルなどの重りをつけて行うと負荷を高めることができます。
片方の脚で負荷をかける方法もあります。

ストレッチ

方法
太もも前側のストレッチ：壁に手をつき、片足を後ろに引いて膝を曲げます。
ふくらはぎのストレッチ：壁に手をつき、片足を後ろに伸ばしてかかとを床につけます。

ポイント
呼吸を整えながら、10〜30秒間キープします。無理に伸ばさず、
心地よい範囲で行います。

サプリメントの活用

サプリメントが膝の痛みに良いとは言えませんが、一般的に膝に良いとされているサプリメントは次のようなものがあります。

グルコサミン：軟骨の修復を助ける。
コンドロイチン：関節の弾力性を維持。
ヒアルロン酸：関節の潤滑を促進。
オメガ3脂肪酸：炎症を抑える効果が期待される。

サプリメントはあくまで健康食品で効果があるわけではありませんので、過度な期待はしないほうが良いかとは思います。

変形性膝関節症の治療法

治療法には保存療法と手術療法があります。

保存療法

運動療法：膝の筋力を強化し、関節の安定性を向上。
薬物療法：痛みを軽減するための鎮痛剤や抗炎症薬の使用。
ヒアルロン酸注射：関節の潤滑を促進し、痛みを軽減。

手術療法

人工関節置換術：軟骨が完全に摩耗した場合に行われる。
高位脛骨骨切り術：O脚の矯正を目的とした手術。

まとめ

変形性膝関節症は、適切な予防と治療によって症状を軽減できる可能性があります。
膝の痛みを感じたら、早めに医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
予防には、適切なトレーニングが重要かと思います。
無理のない範囲で運動を継続して膝の健康を守りましょう。