
ロコモティブシンドロームとは?チェック項目で確認しよう!
ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)という言葉をご存知でしょうか。
これは、筋肉、骨、関節といった「運動器」の機能が衰えることで、立ち上がったり、歩いたりといった移動能力が低下し、将来的に介護が必要になるリスクが高い状態を指します。
想像してみてください。
もし自由に動けなくなり、日々の生活で誰かの助けが必要になったとしたら…
ロコモは、そんな未来を避ける為に今すぐ向き合うべき大切な問題です。
ロコモを放置すると、骨粗鬆症や変形性関節症などの運動器疾患を引き起こす可能性が高まります。
そして最終的には、日常生活の活動が著しく制限され、寝たきりの状態になってしまうこともあります。
なので、ロコモは「まだ先のこと」と他人事にするのではなく、早期の段階で予防や対策を始めることが非常に重要です。
まずはセルフチェック!あなたはロコモ予備軍?
「自分はまだ大丈夫」と思っていても、実はロコモの兆候が隠れているかもしれません。
まずは、ご自身がロコモの予備軍ではないか、以下の項目で簡単にセルフチェックしてみましょう。
ロコモティブシンドローム セルフチェック項目
- 片足立ちで5秒以上キープできない。 (不安定だと感じる場合も含む)
- 椅子に座っていて、何もつかまずに立ち上がれない。 (普段から椅子に座る際、深く腰掛けていることが多い方も要注意)
- 階段を上るのに手すりが必要、または苦労する。(特に下りる際に膝や股関節に痛みを感じる場合も)
- 2kg程度の買い物袋(牛乳パック2本程度)を持って帰るのがつらい。(腕だけでなく、全身を使って支えられないと感じる場合)
- 家の中でつまずいたり、滑ったりすることが増えた。(フローリングや絨毯のちょっとした段差でも不安を感じる場合)
- 横断歩道を青信号のうちに渡りきれないことがある。(途中で小走りになったり、焦りを感じたりする場合)
- 15分くらい続けて歩くことができない。(すぐに疲れたり、膝や股関節に痛みを感じたりする場合)
もし、これらの項目に一つでも当てはまるものがあれば、あなたはロコモの可能性、あるいは予備軍であるリスクがあります。
ロコモの予防には、早めの対策が何よりも大切です。
気づいた今から、少しずつでも行動を始めることが、未来の健康な身体を守る第一歩となります。
ロコモの最大の原因は「筋力低下」!その理由とは?
ロコモの主な原因はいくつかありますが、その中でも最大の要因は、加齢や運動不足による「筋力低下」です。
特に影響を受けやすいのは、太もも(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)、ふくらはぎ(下腿三頭筋)といった下半身の筋肉です。
これらの筋肉は、私たちの身体を支え、歩く、立ち上がる、座るといった日常生活の基本的な動作に不可欠な役割を担っています。
歳を重ねると、残念ながら筋肉量は自然と減少していきます。
これは「サルコペニア」とも呼ばれ、特に下半身の筋力低下が顕著になる傾向があります。
さらに、運動不足が加わることで、この筋肉の衰えは加速し、やがては歩行や日常動作に支障をきたすようになります。
ですが、筋肉は、年齢に関係なく鍛えることが可能な組織です。
たとえ80歳であっても、適切なトレーニングを継続することで筋力を向上させられることが科学的にも証明されています。
「もう年だから…」「今さら運動しても…」と諦める必要は一切ありません。
加齢や運動不足で弱った筋肉を鍛えることが、ロコモの予防に直結します。
もしすでにロコモの状態にある場合でも、その進行を食い止め、改善を目指すには運動が不可欠
で「気づいた時が始め時」です。
運動は少しでも早く始めるのが良いです。
では、具体的にどうやって筋肉を鍛えればいいのでしょうか。
ウォーキングやランニングといった有酸素運動は、心肺機能の向上や健康維持に非常に役立ちます。
もちろんこれらも大切ですが、筋肉を強くするには、筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)のような運動強度の高い運動が特に必要になります。
有酸素運動だけでは、筋肉に十分な刺激を与え、筋力を大幅に向上させることは難しいです。
ロコモ予防に効果的な筋力トレーニング

筋肉を維持・強化し、ロコモを予防・改善するには、筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)が最も効果的です。
自重を使った簡単なトレーニングでも、継続することで大きな効果が期待できます。
ロコモ予防の筋力トレーニング一例
- スクワット
- キングオブエクササイズとも呼ばれるスクワットは、太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)やお尻(大臀筋)など、下半身の大きな筋肉を効率的に鍛えることができます。
椅子に座るように腰を下ろす動作を繰り返すことで、日常生活に必要な立ち座りの動作が格段に楽になります。 - カーフレイズ
- ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋肉を鍛える運動です。
立った状態でかかとをゆっくり上げ下げするだけなので、場所を選ばずに手軽に行えます。
歩行時の蹴り出しやバランス能力の向上に繋がり、つまずき予防にも効果的です。 - プランク
- 体幹(お腹周りや背中)の筋肉を鍛えるのに非常に効果的なトレーニングです。
うつ伏せになり、肘とつま先で身体を支える姿勢をキープすることで、姿勢の改善や身体の安定性向上に役立ちます。
腰痛予防にも効果が期待できます。
運動経験が少ない方や体力に自信がない方は、いきなりハードなトレーニングから始める必要はありません。
まずはウォーキングなどの低強度の有酸素運動から始め、身体を慣らしていきましょう。
そして、徐々に上記の筋力トレーニングを加えていくことで、無理なく安全に筋力を向上させることができます。
筋肉を育てるには食事習慣も重要!
どんなにトレーニングを頑張っても、身体を作る材料が不足していては、筋肉は育ちません。
筋肉を強くし、維持していくには、日々の食生活にも気を配る必要があります。
特に重要なのが、タンパク質の摂取です。
タンパク質は筋肉の材料となるだけでなく、身体のあらゆる細胞や組織を作る上で不可欠な栄養素です。
タンパク質が豊富な食品の例
- 肉類: 鶏むね肉、ささみ、牛肉の赤身、豚ヒレ肉など
- 魚介類: マグロ、サケ、サバ、イカ、エビなど
- 豆類: 納豆、豆腐、枝豆など
- 卵: 良質なタンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルも豊富です。
- 乳製品: 牛乳、ヨーグルト、チーズなど
これらの食品を日々の食事にバランス良く取り入れることで、必要なタンパク質をしっかりと摂取できます。
また、炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルといった他の栄養素もバランス良く摂ることで、より効率的に筋肉を育て、筋力低下を防ぎ、ロコモ予防に繋がります。
まとめ:ロコモ予防は今日から始められる!
ロコモティブシンドロームは、加齢や運動不足によって発症する可能性がありますが、適切な運動とバランスの取れた食生活の改善によって、予防・改善が十分に可能です。
今回のチェックリストで一つでも該当項目があった場合は、是非「もう遅いかも…」と諦めずに、今日からできる対策を始めてみましょう!
健康寿命を延ばし、いつまでも自分の足で元気に歩き続けられる未来の為にロコモ対策を始めてみませんか。