
ダイエットにプロテインが効果的な理由と正しい摂り方
「ダイエットにプロテインが良い」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
昔であればアスリート向けのイメージが強かったプロテインですが、近年では性別を問わず多くの方が取り入れているかと思います。
しかし、ただ飲むだけでは期待する効果は得られるわけではありません。
場合によっては太ってしまう可能性もありますし、健康を害することもあるかもしれません。
なぜプロテインがダイエットに良いと言われるのか、そして本当に私たちにプロテインは必要なのか、その理由と正しい活用法を解説します。
筋肉は「エネルギーの焼却炉」!プロテインで効率的に筋肉量をキープ
プロテインがダイエットに良いと言われる一番の理由は、筋肉の材料になることではないでしょうか。
私たちの身体、タンパク質で構成されています。
タンパク質の摂取量が不足すると、筋肉が作られにくくなり、筋肉量が減少してしまいます。
筋肉は、いわばエネルギーを燃やす「焼却炉」です。
筋肉量が減ると、消費されるエネルギー量も減ってしまい、結果として「やせにくい体質」になってしまいます。
日々十分なタンパク質を摂ることで、筋肉の分解を防ぎ、筋肉量を維持することができます。
プロテインで手軽にタンパク質を補給できれば、筋肉量の維持に繋がり、自然とやせやすい体質に近づく可能性が高まります。
食べても太りにくい体質に?タンパク質が代謝を上げる「食事誘発性熱生産」
タンパク質を摂ることで、謝量が増加するというメリットもあります。
この現象は食事誘発性熱生産(DIT:Diet Induced Thermogenesis)と呼ばれ、食事をした際に体内で消費されるエネルギーのことです。
食事をすると身体が温かくなるのは、この食事誘発性熱生産によって体温が上昇するからです。
エネルギーとなる三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の中で、最も食事誘発性熱生産が高いのがタンパク質です。
具体的な消費エネルギーの割合は以下の通りです。
タンパク質:摂取エネルギーの約30%
糖質:約6%
脂質:約4%
1日の総消費カロリーの約10%は、この食事誘発性熱生産によるものとされています。
このことから、三大栄養素の中でタンパク質が最も太りにくいと言えます。
勘違いしてはいけませんが、太りにくいだけで太らないわけではありません。
「いくら食べても太らない人」が稀にいますが、これは食事で体温が上昇し、より多くのエネルギーを消費している可能性が高いです。
特に、褐色脂肪細胞が活性化している人は、太りにくい体質であると考えられています。
脂肪燃焼をサポート!タンパク質がホルモンの生成に不可欠な理由
タンパク質は、ホルモンの材料にもなります。
特に、成長ホルモンなど、アミノ酸を原料として生成されるホルモンはたくさんあります。
プロテインはアミノ酸の集合体なので、十分なアミノ酸を摂取するにはタンパク質をしっかり摂ることが重要です。
アミノ酸が不足すると、ホルモンが十分に作られなくなってしまいます。
ダイエットにおいて重要な成長ホルモンは、タンパク質の合成を活発にし、脂肪燃焼を促進する働きがあります。
ただし、ホルモンの生成には、ビタミンやミネラルも深く関係しています。
プロテイン摂取だけでなく、これらの栄養素もバランス良く摂ることが、健康的な身体作りとダイエット成功の鍵となります。
また、タンパク質は筋肉だけでなく、肌、髪の毛、爪、臓器、酵素など、私たちの身体のあらゆる部分を構成する重要な成分です。
健康的な身体を維持するにも、タンパク質は欠かせない栄養素なのです。
知っておきたい!プロテインの摂り過ぎで太ってしまう落とし穴
プロテインに含まれるタンパク質は、三大栄養素の中でも最も太りにくい栄養素です。
健康維持に不可欠な栄養素であることに変わりはありませんが、摂り過ぎてしまうと太ってしまう可能性があります。
「タンパク質だから太らない」と思っている人もいるかもしれませんでが、これは「太りにくい」だけであって「太らない」わけではありません。
プロテインを必要以上に摂取すると、総摂取カロリーが増え、ダイエットどころかかえって体重が増えてしまうこともあります。
これは、糖質や脂質と同様に、どんな栄養素でも過剰摂取は太る原因になります。
プロテインは、あくまで食事で不足している栄養素を補うものです。
タンパク質が十分に摂れている食事の際は、プロテインを飲む必要はありません。
本当にプロテインは必要?まずは自分の食事を見直そう!
プロテインはタンパク質を補う栄養補助食品(サプリメント)です。
普段の食事で必要な栄養素が十分に摂れているのであれば、プロテインを飲む必要はありません。
良質なタンパク質を含む食品には、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などがあります。
普段からこれらの食品をバランス良く食べていれば、必要なタンパク質量は満たされている可能性が高いです。
その上でさらにプロテインを飲んでしまうと、タンパク質の摂り過ぎになることも考えられます。
プロテインはやせやすい身体作りに役立ちますが、食事で十分摂取できている場合は必ずしも必要ではありません。
まずはご自身の普段の食事を見直し、プロテインが必要かどうかを確認をしましょう。
1日のタンパク質摂取量の目安**は以下の通りです。
一般の方:体重1kgあたり約1g
トレーニングをする方:体重1kgあたり約1.5g~2g
タンパク質は過剰に摂取しても体内のタンパク質合成率が高まらないとされており、2g以上の摂取は推奨されていません。
食品のタンパク質含有量の目安は以下の通りです。
肉や魚:100gあたり約15g~20g
卵:1個あたり約6g
牛乳:1杯(200ml)あたり約6g
これらの目安を参考に、1日3食で必要なタンパク質を摂取できるよう工夫してみましょう。