体脂肪1kgを落とすには?消費カロリーと成功の秘訣

メジャーで腹部を測る

体脂肪を1kgを落とすのに一体どのくらいかかるのでしょうか?

よくダイエット広告で「1ヶ月で-5kg」「-10kg減量」といったキャッチコピーを見かけることがありますが、この数字は本当に達成可能なのでしょうか。

結論から言うと、体重を減らすことは可能ですが、体脂肪だけを1ヶ月で大幅に減らすのは現実的ではありません。
体重の変動は、最終的にカロリー収支によって決まります。
つまり、体重を減らすには「摂取カロリー < 消費カロリー」の状態を維持することが必要です。
簡単に言えば、食べる量よりも消費するエネルギーの方が多ければ、自然と体重は落ちていきます。

では、体脂肪にはどれほどのカロリーが含まれているのでしょうか?

栄養学的に脂質(脂肪)は1gあたり約9kcalですが、身体に蓄えられた体脂肪は純粋な脂肪だけで構成されているわけではありません。
体脂肪の約20%は水分を含み、脂肪の割合は約80%になります。
ですので、体脂肪1gあたりのカロリーは「9kcal × 0.8 = 7.2kcal」となり、1kgの体脂肪には約7,200kcalが蓄えられていることになります。
これを消費するには相当な運動量が必要です。

例えば、成人の1日の消費カロリーを約2,200kcalとすると、単純計算で3〜4日間、何も食べずに過ごすことで1kgの体脂肪が減ることになります。
ただし、実際には筋肉が減ったり健康面への悪影響もあるので、この方法は現実的ではありません。
運動を活用する場合、7,200kcal消費するにはフルマラソンを約3回走るほどのエネルギー消費が必要になるので、体脂肪を落とすのがいかに大変かが分かるかと思います。

健康的に体脂肪を減らしたい場合は、食事管理と運動を組み合わせ、長期的な視点で継続することが最も重要です。
一気に減らそうとするのではなく、計画的に取り組むことで、無理なく理想の体型を目指すことができます。

体脂肪1kgを1ヶ月で落とすには?

では、1kgの体脂肪を1ヶ月で落とすなら1日あたりどのくらいカロリーを減らせばいいのでしょうか。

体脂肪のカロリーが分かれば、およその数値が出てきます。

1ヶ月は約30日
体脂肪1kgは7,200kcal

これを30日で割ります。

7,200kcal÷30日=240kcal

計算すると1日に約240kcalマイナスにできれば達成できることになります。
1日マイナス240kcalを1ヶ月(30日)続ければ、理論上は1kgの体脂肪を落とすことが可能です。
240kcalは、ご飯で言うとお茶碗1膳にあたります。
今の食事から1日にご飯 1膳を減らせば体脂肪1kgに相当するカロリーを消費することができるということになります。
ただ実際はマイナスにした分、全てのカロリーが体脂肪から使われるわけでもないと考えられるので、実際は1kg落ちない可能性も十分あります。

体脂肪10kgを1ヶ月で落とすには?

1ヶ月で10kgやせるというのもよく見聞きすると思いますが、1kgの10倍ですので約72,000kcal消費しなけらばいけなくなります。
これを1ヶ月、30日で落とそうと思ったら1日あたり2,400kcalマイナスにしなければいけません。
成人の消費カロリーは、だいたい1800~2400kcalくらいです。
(性別、活動量、基礎代謝量、身長、体重などにより異なります。)
仮に1日の消費カロリーが2,000kcalだとしても足りません。
これは1ヶ月間、仮に何も食べなくても落ちない計算になります。
仮に体重が10kg落ちたとしても体脂肪だけで落ちたのではなく、体水分量、筋肉量、骨量なども減ってしまっている状態です。
実際何も食べなければ1週間でも数kg落ちますが、体脂肪が落ちたわけではありません。
これは健康を害しリバウンドの原因になります。

食べる量を減らせば、身体は省エネモードに切り替わり、エネルギーをなるべく消費しないようにします。
ダイエットの方法に炭水化物を抜くというやり方がありますが、炭水化物を抜くとこれに陥る可能性があります。
炭水化物を抜くと体水分、筋肉量、骨量なども落ち、結果的に短期間で体重を数kg落とせたりします。

炭水化物は、体内ではグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられています。
この際にグリコーゲン1gに対し3gの水分が必要になります。
食事から炭水化物を控えていると体内のグリコーゲンと水分も少なくなり結果的に体重が落ちていきます。
さらに体内の糖質が少ないことによって糖新生が起こり筋肉が分解される可能性も出てきます。
糖新生とは糖質以外から糖質を作り出すことで、その主な材料はアミノ酸になります。
炭水化物の摂り過ぎを是正するのはとても良いのですが、摂らなさ過ぎも良くありません。

炭水化物抜きは、体重を落とすことに関して即効性がありますが太りやすくなってしまう可能性があります。
食事を戻せばリバウンドしてしまう可能性も非常に高い状態です。
それに炭水化物抜きは、健康を害してしまう恐れがあるので極端に抜くことはしないようにしましょう。

炭水化物は、身体にとって必要な栄養素の一つでもあるので必要最低限は摂るようにしましょう。
問題は摂り過ぎていることです。

炭水化物抜きイメージ

ダイエットは体重ではなく体脂肪を落とすこと

ダイエットというとどうしても体重を落とすことに目が向いてしまいますが本来、体重ではなく体脂肪を落とすことです。
健康を害さずにリバウンドしないようにするには1ヶ月に1~2kg程度の体脂肪減を目安に落としていきます。
このペースならリバウンドの心配も少なく今後体型を維持しやすいです。
一時的なダイエットでは意味がありません。
今後も体型を維持できてこそダイエット成功と言えると思います。
もちろん一時的でも良いからやせたいのなら食事制限でも良いかと思います。
しかし、体型を維持したいと思うなら急激に体重を落とさないことが大切です。
早く結果を出したいのは分かりますが、時間をかけて変えていった方が今後の自分の為に必ずなります。
体脂肪を落とすのはそう簡単ではないので長い期間かけて少しずつ体脂肪を落としていくのがポイントです。
そもそもダイエットは、期間を決めて行うことではありません。
太らないような健康的な生活習慣を身に付けることがダイエットです。
健康的にダイエットしたい方は、是非一度ご相談頂ければと思います。
急激に体重を落とすことは推奨しておりません。
当方では、1ヶ月に1~2kg程度の無理ないダイエットプランを提案させて頂きます。
また、食事についてもきめ細かにアドバイスをさせて頂きます。
ダイエットに関して言えば、運動よりも食生活の方が大事だからです。